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■ 虫による感染症/エキノコックス症(包虫症)
埼玉県は今月、県内で捕獲したイヌからエキノコックスの虫卵が検出されたと発表しました。
このエキノコックスとは寄生虫の1種で、感染するととても恐い虫です。
ヒトが感染すると、幼虫のまま肝臓や肺に住み着き、進行性の腫瘤や膿胞を形成します。
そして感染しても10年間くらいは無症状で経過し、最後には重篤な肝障害や死亡に至る恐い感染症です。
■ エキノコックス症(包虫症)
キツネ、イヌなどの肉食獣の小腸に寄生する包条虫(エキノコックス)の幼虫により起こる病害を、エキノコックス症(包虫症)といいます。
包条虫は長さ1〜4mmで、条虫(サナダムシ)の1種です。
包条虫には単包条虫と多包条虫の2種類があます。
多包条虫は北海道に多く、単包虫症は西日本特に九州で報告されています。
【感染経路】
北海道のキタキツネの15%が感染し、次いで多いのが野犬です。
ですから、北海道では多包虫症が多発しているといわれます。
虫卵は直径が0.03mmととても小さく、肉眼では見えません。
感染した動物から排泄された虫卵で汚染された土、ホコリ、食物、水などから経口摂取による感染が主体です。
自然界での中間宿主の野ネズミの感染率は7%に達し、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタがこれに次ぎます.
キタキツネや野犬が包虫に感染した野ネズミを捕食すると小腸内で包虫が4〜5週間で成虫となり、虫卵を排出します。
成虫と幼虫が寄生できる動物は、それぞれ決まっています。
ヒトの体内の幼虫は成虫にはらず卵は作り出されませんので、ヒトの間では感染は起こりません。
イヌ、ネコもヒトと接触する機会が多い終宿主ですの注意が必要です。
治療法は外科手術による摘出で、しかも周囲の組織に浸潤しているため周囲の健康な組織ごと摘出します。
【動物の症状】
終宿主であるキツネ、イヌは、親虫が腸へ寄生するだけで害は与えません。
しかし虫卵を摂取した場合には、ヒトと同じ様な症状を起こします。
【ヒトの症状】
ヒトは中間宿主となります。
ヒトへの感染はキツネやイヌなどから排泄された虫卵に汚染された水、食べ物、埃などを経口的に摂取した時に起こります。
感染してから症状が出るまでの潜伏期間は10〜15年と長く、この間は無症状のため、気がつかないうちに悪化してしまうことが多く見られます。
子供の場合は大人と違い、経過が早いようです。
ヒトに虫卵が摂取されると孵化した幼虫が肝臓、肺、脳など重要な臓器に定着して包虫といわれる直径1〜5mmの袋のようなものを多数形成します。
包虫の幼虫はとてもゆっくりと増殖し、身体の各部にガンのように転移し臓器や組織を破壊します(包虫症)。
また包虫は血液により各所に転移します。
包虫の好発部位は肝臓が多く66%、肺22%、腎臓3%、骨2%、脳1%、脾臓その他6%です。
肝臓に寄生・・腹痛、肝臓の腫大、黄疸、肝機能障害、腹水、浮腫、肝性昏睡など。
肺に寄生・・・せき、血痰、呼吸困難、胸膜炎など。
腎臓に寄生・・血尿、腎疝痛、細菌感染など。
骨に寄生・・・骨折。
脳に寄生・・・嘔吐、けいれん、てんかん様発作など。
感染すると、治りません。
【予防】
・流行地でのキタキツネ、野犬との接触を避ける。
・流行地では未感染の動物も汚染された地面に寝転がり、虫卵が毛に付着するので注意が必要です。
・野菜、果物、キノコなどはよく水洗いし、生水は飲まない。
・キツネの居そうな環境では手洗い、うがい、シャワー、風の強い日にはマスクをする。
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