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■ リンパ腫
【リンパ節が腫れた!】
カゼで発熱後にできる、首の耳下にあるグリグリ。
言うまでもなく、その場所はリンパ節です。
ヒトの大人では熱が出ても首にグリグリはできませんが、リンパ節の働きが活発な子供にはよくできます。
これはカゼを起こした病原体が原因で、首の耳下にあるリンパ節が腫れてグリグリになったのです。
リンパ節が腫れる病気はたくさんあります。
感染症、がんの転移、悪性リンパ腫などですが、実際に腫れた原因を探すためには血液検査やレントゲン検査をして診断していきます。
またリンパ節の一部をとって顕微鏡で調べるリンパ節生検が必要になることがあります。
【リンパ節は何をしているの?】
リンパ節は、体に侵入してきたウィルスや細菌などの病原体をやっつける場所です。
リンパ節は体内に病原体がはいると、体を防衛するためのリンパ球をたくさん造ります。
そしてリンパ節で病原体を捕らえ、そこでリンパ球が病原体と闘うのです。
リンパ節が腫れるのは、リンパ節の中でリンパ球が一気に造られたためと、病原体と闘い炎症を起こすためなのです。
全身に分布しているリンパ節は、リンパ管でつながっているのです。
このようにウィルスや細菌などの病原体から体を守る重要な役割を持っているのが、白血球の仲間のリンパ球なのです。
リンパ球には大きく三つの種類があります。
・病原体がどんな物であろうと一番先に出てきて、自分の味方以外はやっつけるNK細胞
・免疫応答を促進し、病原体に感染した細胞や癌細胞を直接殺すT細胞
・抗体という武器を放出するB細胞
見た目にはリンパ節がないような皮膚、脳にもリンパ節と同じような組織があるのです。
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● 【リンパ腫】
リンパ腫とは、体を守るリンパ系にできる腫瘍の一つです。
脾臓、消化管、骨髄の中にあるリンパ組織や体の表面のリンパ節などが腫れてきます。
実際にリンパ球は体のどこにでも存在しますから、リンパ腫もどこからでも発生する可能性があります。
発症の原因は、リンパ球の遺伝子が何らかの要因で傷つくことによると言われています。
この病気は進行性で、時間が経つにつれて致命的になります。
リンパ腫はネコちゃんによく見られ、ワンちゃんより10倍も発症例が多いとされています。
その要因の一つには、ネコ白血病ウィルスとの関連性がきわめて高いことがあげられます。
ネコ白血病ウィルス感染によるリンパ腫は2、3歳という若い時期に発症すると言われています。
しかし若い時期に発症しなくても、免疫力が低下し遺伝子異常のおこりやすい老齢期に発症する可能性もあるのです。
ネコ白血病ウィルスは主に唾液で感染するため、感染した母猫に育てられた仔猫や、ケンカによる咬み傷などから感染が広がります。
ネコちゃんのリンパ腫は、胸の中のリンパ節が腫れる「胸腺型リンパ腫」やお腹の中のリンパ節が腫れる「消化器型リンパ腫」など、体の内部に見られる物が多いため、発見が遅れがちになります。
ワンちゃんに多いリンパ腫は多中心型リンパ腫と言われ、体の表面に見られます。
【症状】
最初はリンパ節の腫れ以外元気です。
ネコちゃんの胸腺型リンパ腫は、心臓の前方にある胸腺に発症します。
大きくなった胸腺は、肺を圧迫して呼吸困難を起こしたり、胸水の原因ともなります。
また腸などの消化器に発症した消化器型リンパ腫は、下痢が止まらなかったり、腸閉塞の原因となることがあります。
ワンちゃんに多い多中心型リンパ腫は、首の付け根、脇の下、後足の付け根、膝の後などの体の表面のリンパ節が腫れます。
進行している場合は、肺や肝臓、脾臓、骨髄に転移しており、黄疸や貧血などの症状が見られることがあります。
この病気は一つのリンパ節または一連のリンパ節にとどまることもあれば、身体の他の領域にどんどん広がることもあります。
しだいに元気も食欲も無くなり、痩せてきます。
悪性のリンパ腫は進行が早く、抗がん剤などの治療をほどこさないと、短期間で亡くなることがほとんどです。
【治療】
リンパ腫は化学療法の効果が証明されている悪性腫瘍です。
適切な化学療法をおこなえば、かなりの期間生き延びる可能性があります。
【定期健康診断】
リンパ腫でも体内にできるものは、飼い主さんが気づくことは不可能です。
7歳を過ぎたら年に1度、10歳を過ぎたら半年に1度は定期検査を受けましょう。
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