肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)

「肥満細胞腫・・・」
「ぇっ、肥満なんですか?そんなに太ってます??」
「ん・・・デブにできる腫瘍かぁ?」
肥満細胞腫、そんな病気の名前から勘違いされる飼い主さんがいます。

太っていることが原因でできてしまう「癌」ではありません。
肥満細胞腫はワンちゃんネコちゃんに発症し、ヒトでは見られません。

肥満細胞は別名マスト細胞と呼ばれ、アレルギーの原因となる物質(抗原)に触れると、炎症を起こすさまざまな物質を細胞の外に出してしまう細胞です。
肥満細胞は花粉症などのアレルギーにも関与している細胞として有名です。
このように肥満細胞は、体の免疫反応にかかわる正常な細胞ですが、この細胞が無秩序に増殖したものが「肥満細胞腫」です。
そして全身的に侵された場合を「肥満細胞症」と言います。

切除しても再発しやすく、また肥満細胞が出す物質のために胃を荒らしたり、ショックが起こったり、全身への影響も大きい腫瘍です。

【症状】

皮膚が盛り上がったり固い塊として、脇腹、肛門付近、四肢の皮膚に良く見られます。
皮膚にできる肥満細胞腫は一般的には2種類あります。
一つは直径が10cm未満(特に3cm未満が多い)、表面が赤くなったり潰瘍状になって隆起し、触ると固くなっているものと、もう一つは毛が生えており軟らかでその境目がわからないものです。

多くの仔に胃や十二指腸潰瘍が見られます。
これは肥満細胞がヒスタミンを細胞の中に持った爆弾の様な細胞で、
で、抗原抗体反応によってこれらの物質を一気に細胞の外へ放出し、これによって炎症が起こるのです。  

しかし、体の外からは容易にわからないため診断が遅れることがあります。
そのため、突然死亡するという最悪な事態が起きてしまうこともあります。

【治療】

肥満細胞腫はほとんどが悪性なので、可能な限りすぐに外科的に除去すべきです。
放射線療法や化学療法は肥満細胞腫が進行していたり完全に切除できない時に推奨します。